前に進めるのか。

これは道がない場所なんだろう。
草むらが広がってるだけかもしれないし、もしかしたら壁があるかもしれない。
ただ、今は何も見えない。


あの人には暗喩、比喩なんてものは通用しない。
いくら恥ずかしいなどと思っても、伝えなければ伝わらない人だ。
ただ伝えすぎることは伝えないことよりも愚かなことだ。


バランスを見極めること。
出し渋りはしないこと。
笑われても、ちゃかさないこと。
笑顔を見せるようにしむけること。
利用されないようにすること。
自分は「あの人を裏切らない」と信じきること。
拒絶は心まで染み渡らせること。
そして、諦めること。


世界一素晴らしいと思える人に出会えた事を幸せに思う。
この気持ちが今だけだとしても、一時的でも、あの人に出会えた事を幸せに思う。
だから、この幸せをあの人に返せるように。


たぶん酔ってるんだろうな。
夜だし、電話したばっかりだし。
妙なハイテンションってやつだな。
頭はかなり冷静なんだけど、言葉の制御がまったく聞かない。
本音なんだろうか。


とにかく判らせたい。本気で好きなんだってことを。
嫌いなところだって好きになれる。
あなたがあなた自身であるかぎり、私はあなた自身が大好きなんだ。ってことを。


「好き」そんなことすら、あの人は分かってなかった。
本当にびっくりした。
何度も伝えてるのに伝わらないことがあるなんて思わなかった。
もしかしたら今度もあの人は歪曲して、
「私があの人を好き」と言う事実を消してしまうのかもしれない。


それでも私は伝え続けなくては。
でも伝えすぎることの愚かさやストーカーとの境界線が見えないんだ。
バランスが怖い。恐怖なんて与えたくない。