2月の駅の改札。

冷たい風が張り切って、
進む2月の駅の改札。
私は周りが聞こえずに、
君の声だけを聞いてた。


「―――」
君が言うたびに。
「―――」
止まる針の音。
「―――」
君が笑うたび。
「―――」
止まる時の砂。


辛いことも悲しいことだって。
可笑しなぐらいに消える。
そんな魔法の人。


冷たい風止んだ、
夜中、2月の駅の改札。
私は周りも聞こえずに、
君の声を聞いていた。


「―――」
君を見るたびに、
「―――」
消える月の影。
「―――」
君が怒るたび。
「―――」
消える人の渦。


辛いことも悲しいことだって。
瞬く間に増えていく。
そんな魔法の人。


冷たい風が張り切って、
進む2月の駅の改札。
私は周りが聞こえずに、
君の声だけを聞いていた。